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2016.07.14不動産売却による相続対策(子所有の貸家の時価による親への譲渡例)

子 太郎は平成21年に母 花子が所有する土地(平成19年に父より相続)の上にアパートを

建築し、母 花子には土地の固定資産税相当額を支払っています。母も高齢であり、相続税の節税を考えるに当たりこのアパートを母に譲渡することで相続対策になるかどうかを検討しています。

母の財産は相続税評価額で約4億円(当該土地の自用地価額5、000万円を含みます。)であり、法定相続人は太郎と姉 さくらの2人です。

太郎所有のアパートは帳簿価額5,300万円、固定資産税評価額4,000万円です。

 

1 概 要

本事例では、太郎の所有するアパート建物を母に時価で譲渡することにより、母の相続財産を圧縮し、相続税を軽減することが可能です。

現況において、太郎から母へは固定資産税相当額の支払のみ(使用貸借)ですので、当該土地は自用地として評価されますが、太郎から母に建物を譲渡することにより、当該土地は貸家建付地として評価されることになります。また、建物の評価は貸家として評価されますので、譲渡対価よりも低く評価される可能性があります。

 

2 効 果

(1)現況における相続税

相続税の課税価格:            4億円

遺産に係る基礎控除額:      4,200万円

(3,000万円+600万円×2)

課税遺産額:          3億5,800万円

相続税の総額:           10,920万円

 

(2)アパート譲渡後の相続税

アパートの時価:                    5,300万円(帳簿価額と同額と想定)

アパートの相続税評価額              2,800万円(賃貸割合100%)

( 4,000万円×(1 -0.3×100%))

当該土地の貸家建付地評価:           4,100万円(借地権割合60%)

( 5,000万円×(1 -0.6×0.3×100%))

 

 

売買後の相続税課税価格:      3億6,600万円

【計算過程】

4億円-5,300万円十2,800万円-900万円

(売買代金)(建物評価額)(土地の減額)

 

遺産に係る基礎控除額:                  4,200万円

課税遺産額:                        3億2,400万円

相続税の総額:                          9,560万円

相続税額の減少額:                 10,920万円-9,560万円=1,360万円

※移転諸費用は考慮していません。

不動産取得税:                            120万円(3%として)

登録免許税:                               80万円(2%)

 

これらは母の負担となります。

 

 

3 遺産分割

当該建物は母の相続財産となりますので、当該建物に係る母の遺言書がなければ、相続発生後に

太郎・さくら間の遺産分割協議によりどちらが相続するのかを決めることになります。